V2Rayの速度・遅延測定方法を解説|TCPing・実接続遅延・ダウンロード速度の違い

TCPing、実接続遅延、ダウンロード速度の測定範囲を解説。TCPingの値が良くてもWebサイトを開けない理由や、ノード選びで見るべき指標がわかります。

この記事の要点

TCPingはサーバーのポートへの接続可否、実接続遅延はプロキシ経由でテストリクエストが完了するまでの時間、ダウンロード速度は継続的なデータ転送能力を測ります。サブスクリプションを読み込み、ノードを選んでいる方は、まず利用できない設定を除外し、次に応答時間を比較して、候補だけダウンロード速度を測定しましょう。

3種類の測定方法が対象とする範囲:ポート・リクエスト・継続転送

クライアントのサーバー一覧に表示される「遅延」は、すべて同じ指標ではありません。同じミリ秒表示でも、サーバーとのTCP接続だけを測る場合と、プロキシ経由でテストサイトにアクセスする場合があります。数値を比べる前に、どのテストを実行したか、テスト先が同じかを確認してください。

測定方法主な測定範囲この結果だけでは判断できないこと
TCPing端末から設定済みサーバーのアドレスとTCPポートまで。通常は接続確立にかかる時間を測定プロキシ認証が正しいこと、テスト先にアクセスできること、ダウンロード帯域が十分であること
実接続遅延指定ノード経由でテスト先にアクセス。通常はプロキシ接続と1回のHTTPまたはHTTPSリクエストを含むすべてのWebサイトにアクセスできること、長時間接続が安定すること、継続的なダウンロード速度が速いこと
ダウンロード速度プロキシ経由でテストデータを受信し、受信バイト数と時間からスループットを算出操作への応答が常に速いこと、時間帯が変わっても速度が一定であること、すべての接続先で同じ速度が出ること

実接続遅延の計測範囲は、クライアントのバージョンやテストの実装によって異なります。DNS名前解決、TLSハンドシェイク、接続の初期化を含む場合もあれば、既存の接続を再利用する場合もあります。「指定した条件で1回リクエストするのにかかった時間」と捉えるのが適切です。プラットフォームをまたいで共通の往復時間として比較しないでください。

TCPingの値が低いのにWebサイトを開けない場合、どこで止まっている?

たとえば設定でTCPポート443を使用しているとします。TCPingが成功した場合にわかるのは、そのアドレスのポートがTCP接続を受け付けたことだけです。待ち受けポートがリバースプロキシやCDNエッジのものである可能性もあり、その後のリクエストではトランスポート設定、プロキシ認証、リモート側の外向き接続、接続先サイトを経由します。どこか1つでも失敗すれば、Webページを開けないことがあります。

  1. まずサーバー情報を確認します。サブスクリプションにあるサーバーアドレス、ポート、ユーザーIDが正しく組み合わされているか確認してください。共有リンクに表示される名前をサーバーアドレスと取り違えたり、ポートを安易に443へ変更したりしないでください。
  2. 次にトランスポート設定を確認します。WebSocketを使う場合はパスとHost、TLSを使う場合はサーバー名と端末の時刻を確認してください。VLESSの設定でREALITYを使用する場合は、公開鍵やサーバー名など、サーバー側で指定されたパラメーターも一致させる必要があります。
  3. コアが設定を受け付けているか確認します。V2RayとXrayで利用できる機能は完全には同じではありません。設定をインポートできても、現在のコアがすべてのトランスポートやセキュリティオプションに対応しているとは限りません。起動ログと接続エラーを確認してください。
  4. 最後に出口と接続先を確認します。ノードで認証できても、リモート側のDNS、外向きネットワーク、接続先サイトで問題が起きることがあります。よく使うWebサイトを2つ試し、1つのサイトだけで判断しないでください。

ログのconnection refusedは通常、接続先のいずれかが接続を拒否したことを示します。timeoutは、所定の時間内に処理が完了しなかったことを示します。まずログに記録された接続先がローカルの待ち受けアドレス、プロキシサーバー、最終的な接続先のどれかを確認してから、原因を調べてください。エラーの単語だけで判断すると、入口側の問題をノードの障害と誤認するおそれがあります。

判断のポイント:ポートに接続できたら、プロトコルとリクエスト経路を確認

TCPingは成功するのに実接続が連続して失敗する場合は、設定、コアのログ、テスト先を確認してください。TCPingの結果だけで並べ替えを続けるのは避けましょう。リクエスト層で接続を確認できて初めて、ポート接続時間の短さを比較する意味があります。

v2rayNとAndroid版クライアントでの測定手順

v2rayNでは、サーバー一覧の項目を選択して右クリックし、「サーバー遅延をTCPingでテスト」「サーバーの実接続遅延をテスト」「サーバー速度をテスト」などの項目を探します。バージョンによって空白やショートカットが変わったり、テスト用サブメニューにまとめられたりする場合があります。機能名を確認して選び、一覧に残っている過去の数値を今回の結果と取り違えないようにしてください。

測定手順:まず接続可否、次に速度を確認

デスクトップ:v2rayN
  • サブスクリプションを更新し、測定する項目を選択して、右クリックメニューから実接続遅延をテストします。
  • 今回のテストがすべて終わるまで待ち、失敗した項目と測定時刻を記録します。
  • 成功した候補を1つずつ測定し、同時ダウンロードによる帯域の奪い合いを避けます。
  • 使用するサーバーを切り替え、ブラウザーで普段使うWebサイトにアクセスできるか確認します。
Android:v2rayNG / v2flyNG
  • 設定を選んで接続を開始し、システムの案内に従ってVPN接続を許可します。
  • メニューから「実接続をテスト」または同等の接続テスト項目を選びます。一括テストの場所はバージョンによって異なります。
  • v2rayNGはXrayコア、v2flyNGはv2flyコアを使用します。移行前に設定の対応範囲を確認してください。
  • 同じWi-Fiまたはモバイルネットワークを使い、測定中にネットワークを切り替えないでください。

デスクトップ版とAndroid版では、テスト先、タイムアウト、計測方法が異なる場合があります。それぞれの端末内で結果を比較し、両者のミリ秒値をそのまま並べて総合ランキングにしないでください。

クライアント内蔵テストは、システムプロキシを経由せず、選択した項目へのテスト用接続を直接確立する場合があります。一方、ブラウザーの接続は、システムプロキシ、ブラウザー独自の設定、またはTUNによる制御に左右されます。そのため、内蔵テストが成功しても、実際のアプリの通信が想定した入口を通っているか確認が必要です。ブラウザーの入口の問題を直すために、サブスクリプションの内容を何度も変更しないでください。

ダウンロード速度の見方:単位・時間・同時接続の条件

ダウンロード速度は、一定時間内にデータを受信する能力を示し、通常はMB/s、MiB/s、Mbpsなどで表示されます。回線プランではMbpsが使われますが、クライアントは1秒あたりのバイト数を表示することがあります。数値が約8倍違う場合は、まず大文字・小文字と単位を確認してください。すぐに回線速度が制限されていると判断する必要はありません。

8 bit
1 byteに相当。bitとbyteを区別する
12.5 MB/s
100 Mbpsを10進法で換算した理論値
5 MiB/s
例:10 MiBのデータ ÷ 2秒の転送時間

上記は単位換算の例であり、ノードの実測値ではなく、プロトコルのオーバーヘッドも含みません。接続準備の時間を計測に含めると、サイズの小さいファイルでは平均速度が大きく下がります。複数接続で同時にダウンロードすると、単一接続より高い結果が出ることもあります。瞬間的な最高値だけでなく、測定方法も記録しておくことが重要です。

ノード選びで見るべき指標:用途に合わせて2段階で絞り込む

普段のWeb閲覧やAPIリクエストでは、安定して応答が返ることが重要です。大容量ファイルの転送では、持続的なスループットが重視されます。まず実接続テストで使える設定を絞り、用途に応じて遅延またはダウンロード速度を比較してください。TCPingは入口の問題を調べる補助にはなりますが、最終的な使用感のランキングには適しません。

実接続遅延を優先

おすすめ

まず連続して失敗する項目を除外し、同じテスト条件で複数回測定した結果を比較します。応答が一度だけ速くても、ほかの測定でタイムアウトする場合は、安定して使える項目より下に評価してください。

おすすめの用途:日常のWeb閲覧、短いリクエスト、通常のノード選び

ダウンロード速度で二次選別

接続テストに合格した候補だけを測定します。持続速度と途中の停止を比べ、一度だけ出た瞬間的な最高値を理由にノードを頻繁に切り替えないでください。

おすすめの用途:大容量ファイルの転送、長時間のデータ受信

TCPingで補助診断

サーバーのTCP入口に接続できるかを確認します。ポートへの接続が速くてもリクエストが失敗する場合は、プロキシのパラメーターとその先の経路を確認してください。

おすすめの用途:ポート接続不可とリクエスト層の失敗の切り分け

候補ごとに、まず3回測定し、成功回数と代表的な所要時間を記録します。たとえば同じテスト先で3回測定した結果が180、195、210ミリ秒なら、中央値は195ミリ秒です。別の候補が80ミリ秒を1回だけ記録し、残り2回はタイムアウトした場合、最小値だけを見て後者のほうが優れているとは判断できません。これらの数値は記録方法の例であり、実際のノード性能を示すものではありません。

確認の順序:成功率 → 代表的な遅延 → 持続速度

複数回のリクエストが完了する項目を先に選びます。応答時間が近い場合は、実際のダウンロード用途に応じてスループットを比較してください。タイムアウトは失敗として別に記録し、平均に0ミリ秒として加えないでください。

測定結果とWebの使用感が合わない:よくある4つの疑問

実接続テストは成功するのに、ブラウザーでWebサイトを開けない?

まずv2rayNのトレイメニューで「システムプロキシ」を開き、「システムプロキシを自動設定」が選ばれているか確認します。次に、ブラウザーに別の固定プロキシが設定されていないか確認してください。クライアントが実際に待ち受けているポートも確認します。画面に10808と表示されている場合、外部アプリで使うのはそのポートです。他の解説記事にあるポートをそのまま設定しないでください。その後、ルーティング設定で接続先が想定したアウトバウンドに振り分けられているか確認します。

実接続テストだけタイムアウトするのに、普段使うWebサイトは開ける?

現在のバージョンの設定でテスト先とタイムアウト時間を確認し、テスト先に実際にアクセスできるか調べてください。ノードを固定したうえで、別の利用可能なWebサイトにもアクセスします。テスト先へのアクセス制限、応答形式の変更、短すぎるタイムアウトが原因で失敗することもあります。測定値を回復させるために、TLS証明書の検証を無効にしないでください。

ダウンロードは速いのに、Webページの表示が遅いのはなぜ?

Webページの読み込みでは、複数のドメインへの接続、DNS問い合わせ、スクリプトや画像の取得が発生します。1回の連続ダウンロードとは異なります。現在のノードを維持して、ほかのWebサイトでも確認し、ログで遅いリクエストの接続先とアウトバウンドを調べてください。実接続テストの対象は設定されたテスト先だけです。WebページのすべてのリソースやUDPアプリの使用感までは確認できません。

昼間は問題ないのに、夜は速度が落ちる。プロトコルを変更すべき?

まずノード、ネットワーク、テスト先、測定方法を固定し、時間帯ごとの結果を記録してください。複数の項目で同時に速度が落ちている場合は、端末内の帯域競合やネットワークの混雑から調べます。特定の項目だけ異常が続く場合は、サーバーや特定の経路を確認してください。VMessとVLESSはプロキシプロトコルの名称であり、帯域の等級ではありません。プロトコル名だけから速度を予測することはできません。

簡単な記録を残しておけば十分です。日付と時間帯、ネットワークの種類、クライアントとコアのバージョン、テスト先、成功回数、代表的な遅延、ダウンロード速度の単位を記録してください。ログを共有して相談する際は、サブスクリプションURL、ユーザーID、共有リンクに含まれる認証情報を隠してください。入口やルーティングを詳しく確認する場合は応用ガイドを参照してください。まずアプリの通信を正しい入口に通し、その後で経路の速度を比較しましょう。

TCPingはポート、実接続はリクエスト、ダウンロード測定は継続的なデータ転送を確認します。

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